徳田です。
  「高齢者福祉の授業を創出する」模擬授業パート4です。

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 4 「役立つことをする」とは、理論的に言うとどうなるか?

  発問 ここで理論的な質問をします。
      「『人に役立つ』『世の中に役立つ』ことをする行い」とは、理論的に
     言うと、どういうことをする行いと言えるでしょうか。(愚問かな?)

   説明 私は次のように考えました。
      (下の「マイナスの状況」「プラスの状況」は、働きかける対象の状
       態のことを指しています。それを座標軸で表しあります。)


        マイナスの状況          0       プラスの状況
                
       _________________________
     
      働きかける対象が「マイナスの状況」だから、その対象に対して何か
    しら働きかける必要があるのです。その対象に「役に立つ」働きかけが
    必要なのです。 
      このような「マイナスの状況」にある対象に対して、「プラスの状況」に
    なるように働きかける行為、あるいは、「マイナスの状況」をなくすように
    働きかける行為、これが「ボランティア」だと考えます。

      このことを箇条書きに整理して示したのが、以下のものです。

            1 対象に対して、「マイナスの状況」をなくすように、働きかける

 と
       2 対象に対して、「マイナスの状況」が「プラスの状況」に向かうよ
 う
        に、働きかけること
       3 対象に対して、「マイナスの状況」が「プラスの状況」になるよう
        に、働きかけること
       4 対象に対して、「プラスの状況」を提供するように、働きかける
        こと
       5 その他

       これが「ボランティア」とである。

 説明 例えば、「障害者福祉」の場合で考えてみましょう。
発問 障害者の方の「マイナスの状況」としては、どういものが考えられでしょう。
     
 説明 例えば、「マイナスの状況」としては、

      1 障害者の方への偏見・差別・無理解
      2 障害者の方を「かわいそう」と思う心情
      3 生活上のバリア・精神上のバリア
      4 3に伴う困難

    などが考えられます。
     この「マイナスの状況」を善処するように働きかける行為が「ボランテ
    ィア」です
     「マイナスの状況」をなくす、「プラスの状況」に持っていく、このよう

    行為です。


 5 「福祉ボランティア」の授業の三つのステージ

 説明 すると、「福祉ボランティア」の授業の場合、次の三つのステージが考
    えられます。

      1 「マイナスの状況」そのものを理解する段階
      2 「マイナスの状況」をなくす・「プラスの状況」に持っていく方法

       学ぶ段階
      3 実際に2のことを実行する段階

     高齢者福祉の場合、1の「マイナスの状況」として、
   
      1 高齢者の方の生活上のバリア・精神上のバリア
      2 1に伴う困難
      3 高齢者ならではの「悩み」
      4 周囲の無理解・偏見
    
    などがあります。それをまず理解する学習が必要です。
     「疑似体験」「交流体験」「高齢者の方の手記」などによって理解させる

    です。

     次に、その「『マイナスの状況』を善処するための方法を知る・学ぶ」段

    です。
     例えば、「お年寄りの方の悩みを知り、それに対して自分たち何かでき
    ることはないか」これを学ばせるのです。
     また、、「生活上のバリアを知り、それに対して自分たちに何かお手伝い
    できることはないか」これを学ばせるのです。
     「疑似体験」「介助体験」「用具使用体験」などによって理解させること

    できます。

     その次に、学んだこと実際に行動に移す・実際に働きかける段階です。
     上に書いたことを「実際にやってみる」のです。
     これは、「参加体験」「交流体験」などの<体験>活動によって保障でき
    るでしょう。

     これを図示すると次のようになります。


    ・・・・・・・・・・・・・・・・・
    ・ マイナスの状況 ・       0              プラスの状況
    ・____________________________
    ・           ・
    ・           ・
    ・           ・ →→→→→→→→→→ 
    ・           ・
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・

    1 「『マイナスの状況』  2 「『プラスの状況』に持ってい
     を理解する」段階      く情報や方法を学ぶ」段階


                       3 2のことを「実際に実践する

                        働きかけを行う」段階
     
     
 説明 このように、「ボランティア」という行為を理論的に説明し、その行い
    の意味を図示すると、授業でするべきこと・単元の組み立てが見えて
    きます。

 (続 く)     


                                総合的な学習(福祉・ボランティア)

「高齢者福祉」単元構想の模擬授業4 
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